海外留学は貴重な経験ですが、実際に現地で生活してみると「辛い」と感じることも多いのが事実。
私も留学一年目はとても精神的にも身体的にも辛かったです。
本記事では、留学中に特に辛いと感じやすい時期や、その原因、具体的な対処法について自身の実際のエピソードと共に詳しく解説します。
この記事でわかること
- 留学中に特に辛いと感じやすい3つの時期
- 留学が辛い9つの原因と対策
- 私が辛い留学を乗り越えた体験談
- 留学継続のモチベを上げる方法
クリックできる目次
留学が辛いと感じやすい3つの時期
留学生活には三つのストレスを感じやすい時期があります。
- 到着直後(1ヶ月以内):環境の変化に適応できず、不安を感じる
- 3ヶ月目頃:英語力の伸び悩みや、人間関係のストレスが出やすい
- 半年〜1年経過後:ホームシックや将来の不安を抱える
到着直後(1ヶ月以内)
最初の1ヶ月は、新しい環境に適応するのが大変な時期です。慣れない土地での生活、言葉の壁、人間関係の不安が一気に押し寄せ、精神的にも肉体的にもストレスを感じることが多いでしょう。
主な悩み
- 言語の壁(英語が聞き取れない、話せない)
- 生活習慣の違い(食事、交通、買い物など)
- 友達ができない、孤独感
3ヶ月目頃
最初の興奮が落ち着き、現実の問題が見えてくる時期です。特に、英語力の伸び悩みや、人間関係の悩みが出やすくなります。この時期にホームシックにかかる人も多いです。
主な悩み
- 英語の上達が感じられない
- 授業についていけない
- クラスメートと馴染めない
- 日本の家族や友達が恋しくなる
半年〜1年経過後
この時期になると、留学生活にある程度慣れてくる一方で、帰国後の進路や就職活動のことが気になり始めます。また、「自分の英語力やスキルは本当に向上しているのか?」と不安になることもあります。
主な悩み
- ホームシックが強くなる
- 将来への不安が大きくなる
- 留学の目的を見失いがち
- モチベーションの低下
留学が辛いと感じる9つの原因と対策
留学中は様々な出来事や刺激をたくさん体験します。以下は多くの留学生が辛くなる9つの原因です。
- 英語が理解できない
- 孤独(友達ができない)
- 海外の生活・文化が合わない
- 日本の家族や友達が恋しい
- 学校の勉強が大変
- 心身の不調
- 差別・嫌がらせを受ける
- 進路や就職のプレッシャー
- 金銭面
原因1:英語が理解できない
自分の英語力が原因で、ネガティブな気持ちになる留学生が非常に多いです。
- 思ったより自分の英語力が低いという現実を知る
- 英語力が足りないから授業についていけない
- 会話がスムーズにできないからストレス
エピソード 私はロサンゼルスの語学学校に通っていた時、先生が話すスピードが速すぎて、単語を拾うのが精一杯でした。ペアワークでも相手の言っていることを理解することが難しく、自分の意見もまともに英語で組み立てることもできないことが多くて、たくさん悔しい気持ちを感じました。
対策
- リスニングやスピーキングの練習を増やす
- よく使うフレーズを覚える
- ネイティブの友人を作り、会話の機会を増やす
- 授業の録音を活用し、後で聞き返して復習する
アウトプット不足を感じる人は、AIアプリやオンライン英会話でアウトプット練習するのもおすすめです。
原因2:孤独(友達ができない)
友達ができなかったり、人間関係がうまくいかなくて、孤独を感じる留学生は大多数います。
- クラスメートと馴染めない
- ネイティブの友達を作るのが難しい
- 言葉の壁で心から話せる友達ができない
エピソード
私は内向的な性格で、英会話力も壊滅的だったので、友達を作るのに本当に苦労しました。初めての語学学校生活では、すでにグループができていて、仲間に入りづらいと感じることもありました。語学学校だとネイティブの友達を作るのが難しく、もどかしさを感じていました。
対策
- 日本人以外の学生とも積極的に交流する
- 言語交換パートナーを見つける
- 留学サポートのイベントに参加
- 趣味のサークルやクラブに参加して共通の話題を持つ
学校で合う人がいないなら、オンラインや地域のイベント・コミュニティで出会いを広げるのも大切です。
原因3:海外の生活・文化が合わない
海外生活は思っていたより大変で、様々な違いがストレスの原因となります。
- 食文化が合わない
- 価値観の違いに戸惑う
エピソード
食生活の違いは、結構辛かったのを覚えています。アメリカに来てからファストフードや冷凍食品の消耗率が上がり、不健康な生活になってしまいました。また、アメリカ社会で正しいとされる価値観に馴染めず、カルチャーショックが続くことでストレスに。直接的な発言を求められ、気を使う文化がないなど、日本との違いに戸惑いました。
対策
- 日本食が手に入る場所を探す
- 文化の違いを前向きに捉える
- 日本の文化を紹介することで現地の人と交流を深める
食生活が問題なら、できるだけ日本食を確保するのも大切です。文化の違いは一気に全ての違いにうまく対応できなくても大丈夫です。徐々に学び、慣れていきましょう。
原因4:日本の家族や友達が恋しい
留学中は、日本の物や人との物理的な距離が孤独や寂しさにつながります。
- 日本にいる家族や友達に会いたい
- 時差で話す時間を作るのも大変
- SNSなどを見て気分が落ち込む
エピソード 毎日精一杯異国で生活しているとふとした瞬間に、日本の家族や友達のことを思い出して寂しくなることもありました。特にSNSで友達が日本で遊んでいたり、誕生日や季節のイベントの時期には、寂しさが増して、帰国したくなることもありました。
対策
- 定期的に家族と連絡をとる
- 日本の友達ともオンラインで交流
- 日本文化を感じられるイベントに参加する
原因5:学校の勉強が大変
- 授業スタイルに慣れない
- 課題の量が半端ない
- 良い成績を取るのが大変
エピソード
語学学校にいたときは、学校のスピーチ課題などの準備やエッセイ作成などが大変で、英語もまともにできなかったので恐ろしいほど時間がかかっていました。アメリカの大学に入ってからは、膨大なリーディング量と難しい課題に追われ、睡眠不足になったこともよくありました。アメリカでは、グループディスカッションやプレゼンテーションが頻繁にあるため、その準備や本番がかなりストレスでした。
対策
- 留学生オフィスやサポートチームを活用する
- 学習計画を立て、効率的に勉強する
- 図書館や学習センターを積極的に利用する
多くの学校には勉強をサポートしてくれるサービスがあります。チュータリングや留学生サポートオフィスやアドバイザーとの個人面談などサービスを最大限に活用しましょう。
原因6:心身の不調
留学生活では、環境の変化や生活の変化で心身ともに刺激を受けやすいです。
- 気候や食生活の変化で体調を崩す
- ストレスで精神的に病む
エピソード
私はカリフォルニアの乾燥した気候により、肌や髪に影響が出ました。食生活が変わったことで、胃が重くなることも増えました。ストレスや不安が重なると、食欲不足や睡眠不足になることもありました。
対策
- 現地の医療機関の情報を把握しておく
- 生活習慣を整え、ストレスを溜めない
- 適度な運動を取り入れる
原因7:差別・嫌がらせを受ける
留学する場所や地域にもよりますが、差別が嫌がらせが原因で辛さが増すこともあります。
- 人種差別的なことを言われる
- 英語力が低いと冷たい態度をとられる
エピソード
私の場合、アジア人であることを理由に差別的な体験をしたのは、カリフォルニアではありませんでしたが、ペアワークで英語がうまく話せなかった時に、相手にガン無視されて、アクティビティを放置された時は泣きそうになるくらい辛かったのを覚えています。
対策
- 無理に関わらず、信頼できる人に相談する
- ひどい場合は大学やエージェントに報告
- メンタルヘルスケアを意識し、心のケアを大切にする
原因8:進路や就職のプレッシャー
留学していると進路や就職面で不安になったり、ストレスを感じることもあります。
- 海外での就職活動の悩み
- 帰国後のプレッシャー
- 進路変更の悩み
エピソード
留学中は、留学を終えた後の進路について悩むことがよくありました。帰国後の日本での就職活動や、アメリカのOPT(卒業後に一定期間現地で就労できる制度)、専攻の変更などで手続きやその先の結果について不安になることもありました。「このままで大丈夫なのか?」と焦りを感じることもしょっちゅうでした。
対策
- キャリアセンターやエージェントを活用する
- インターンシップに参加し、実務経験を積む
- 帰国後のキャリアプランを事前に考える
留学組の就活は日本の学生と時期や物理的な距離で違いがあるので、早めに準備しておきましょう。現地で就労する場合は、インターンシップなどで経験を詰んでおくが大切です。
原因9:金銭面
- 学費や留学費用の負担
- 学生ローンや奨学金の不安
- 海外の物価高の影響
エピソード
ロサンゼルスでは想像以上に生活費がかかり、アルバイトも制限されていたので、金銭的にストレスを感じていた時期もありました。留学生の学費は高いので、学費の支払いの度に精神的負担を抱えていました。日本の感覚でお金を使うと大変なことになるので、出費には注意深くなりました。
対策
- 事前にしっかりと資金計画を立てる
- 奨学金制度を活用する
- 節約できるポイントを探し、無駄な支出を減らす
事前に自分で調べて準備をしたり、学校の奨学金に応募したり、現地では節約生活を意識することで出費が減るので、金銭的な悩みを減らせます。
留学が辛い時に効果的な対処法
留学は新しい経験に満ちた貴重な機会ですが、時には辛いと感じることもあります。環境の変化や文化の違い、言葉の壁など、さまざまな要因がストレスとなることもあるでしょう。
ここでは、留学が辛いと感じる理由ごとに、効果的な対処法(行動)をご紹介します。
人間関係が原因の場合
話ができる友達ができない・差別を受ける・日本の家族や友達に会いたいなど人間関係が辛さの原因となっている場合は、以下の二つを考慮しましょう。
・留学コミュニティやイベントを活用
学校や地域で開催される留学生向けのイベントに積極的に参加しましょう。同じような悩みを抱えている仲間と出会うことで、新しい友人を作るきっかけになります。
・現地のカウンセリングサービスを利用
大学や地域には留学生向けのカウンセリングサービスが用意されていることが多いです。悩みを打ち明けることで、専門家からのアドバイスを受けることができます。
英語力・勉強面が原因の場合
英語が分からない・学校の勉強が大変など英語や勉強面が原因なら、以下の二つにまずフォーカスしてみましょう。
・焦らず基礎を固める
焦る気持ちは分かりますが、まずは基本的な英語力をしっかり身につけることが大切です。文法や単語の復習を行い、自分のペースで学習を進めましょう。
・ネイティブの友人と積極的に話す
英語を学ぶ最良の方法は実践です。積極的にネイティブの友人と話すことで、自然な英語表現を学ぶことができます。言葉に自信がなくても、話す努力を続けることが重要です。
文化や生活の違いが原因の場合
海外の生活・文化が合わない・学校での生活が合わないなど留学による環境や文化の違いが原因の場合、以下の2点を意識してみましょう。
・文化の違いを学ぶ機会と考える
文化の違いをストレスに感じるのではなく、新しい視点を得られるチャンスと考えましょう。現地の文化を理解することで、適応しやすくなります。
・留学生同士で悩みを共有する
同じ経験をしている留学生と話すことで、お互いの悩みを分かち合い、気持ちが楽になることがあります。SNSや留学生向けのコミュニティを活用するとよいでしょう。
体調・金銭面が原因の場合
体調を崩してしまった・金銭的に厳しいなど心身や金銭面が原因で、いろいろ考慮・努力しても現状が改善されない場合は、以下のような行動を取るのもありです。
・一旦帰国もあり
無理をせず、一度日本に帰国することも選択肢の一つです。体調を回復し、経済的な問題を解決してから再び挑戦することで、より良い留学生活を送ることができます。
それでも留学が辛い場合は?|モチベをあげる方法!
これまでご紹介した対策をしても、まだまだ辛い気持ちがあるという方は、以下の5点を最優先で確認してみてください。
1. なぜ留学したのかを思い出す
初心を振り返り、目的を再確認することで多くの人はモチベーションを取り戻せるきっかけになります。
2. 日本の友達・家族と連絡を取る
孤独感を和らげるために、オンライン通話などを活用し、日本の家族や友人と話す時間を作りましょう。定期的に連絡すれば、留学を続けやすいメンタルを保つことができます。
3. 充分寝る
留学中は忙しくて忘れがちですが、睡眠は心身の健康に非常に重要です。ストレスが溜まりやすい環境では、しっかり睡眠を取ることでリフレッシュし、気分を切り替えることができます。
4. 日本の食べ物・文化に触れる
留学中に日本のものを完全に断つ必要はありません。日本食を作ったり、日本の映画を観たりすることで、ホームシックを軽減しやすくなります。
5. 留学エージェントや心理カウンセラーに相談をする
プロのアドバイスを受けることで、個人の状況に基づいた解決策が見つかる可能性があります。専門家に相談することで、不安を和らげることができるでしょう。
私が辛い留学に立ち向かった方法【体験談】
私はロサンゼルス留学中、何度か精神的に辛くなった経験があります。一度は留学3ヶ月目の語学学校に在籍していた時で、自分の英語力が中々伸びず、心から話せる友達もいなくて、かなりストレスを溜めたまま生活していました。2回目は、アメリカの大学在学中(留学して1年半後)に、学校の勉強が大変で睡眠不足や栄養不足になり、精神的にも結構追い詰められていました。
夜になると涙が出てきて、でも相談できる友達もいないし、家族に伝えるのも申し訳なくて、最初は一人で抱え込んでいました。しかし、幸いなことに留学保険がメンタルヘルスカウンセリングもカバーしてくれていたので、現地の日本人カウンセラーに相談することに。私の現状も理解してくれて、心が少し軽くなりました。
また当時は食文化の違いにかなりストレスを感じていたので、日本食を定期的に作ったりするようになりました。また、家族と友達にもカルチャーショックを伝えるなど、定期的に電話をするようにしました。そして日本に帰りたいと思った時は、なぜ自分がアメリカに来たのか、何を成し遂げに来たのかと、留学前のキラキラしていた自分の初心を思い出すことで、留学生活を続けることができました。
詳しくは、留学先でホームシックになった時の乗り越え方【8選】なりやすい人の4つの特徴でご紹介しています。
留学が辛くならないために準備しておくこと
海外生活は予想もしなかったことが起こったり、変化やストレスに対応したりと、精神的に参ってしまうことの連続です。しかし、事前にそれらを知り、準備することで多くの不安や辛い気持ちは予防できます。
留学の目的をはっきりさせておく
「なぜ留学するのか」を明確にすることは、留学で辛い時にモチベーションを保つために役に立ちます。留学の目的がはっきりしていないと、なんで留学したんだっけ?と留学を続ける理由もなくなってしまいます。
英語をあらかじめ勉強しておく
日本人が一番苦労しやすいのは、英会話力。日本人は義務教育で英語を勉強したはずなのに、日本の英語が話せる人はたった1割から2割です。
日本で実用レベルの英会話力がある人は、わずか7%だというデータもあります。
苦手意識の高い分野を中心に勉強しておくことが大切です。文法の復習や単語の暗記、英会話の練習など自分の弱点に合わせて、勉強しておきましょう
英会話が心配な人は、オンライン英会話やAI英会話で普段から英語で会話をする習慣を身につけておきましょう。
留学先の国や学校について学んでおく
留学する街や学校、民族などの生活習慣や文化を事前に把握しておくと、現地でショックを受ける確率を減らせます。知識があれば、スムーズに海外生活や考え方に適応しやすいです。
日本の文化や好みを説明できるようにしておく
意外と知られていませんが、留学中は自分の国のことについて聞かれることが結構あります。日本人なのに日本のことを説明できないとならないように、現地の人に自分の文化を伝える準備をしておきましょう。
セイフティネットを用意しておく
海外に行く前に、トラブルが起きた時やメンタルが落ちた時にサポートを受けられるセイフティネットを用意しておくと便利です。
相談できる友達やカウンセラー、サービス、娯楽やストレス発散ツールを準備し、辛い時に頼れる環境を作りましょう。
まとめ
留学が辛いと感じることは決して珍しいことではありません。しかし、適切な対処法を知っておくことで、乗り越えることができます。
辛くても自分を責めずに、自分の本音を受け入れて最善策を考えていきましょう。